サラリーマンの投資戦略の考察 勉強編2~経済事象の原則~
投資戦略を立てる上でやらなければならないことは「市場のゆがみ」を見つけることである。今の市場がどうなっているのか、これは正しい状態なのか、どうなれば正常な状態に戻るのか、という問題に自分なりの仮説を作る必要がある。株が割安に放置されているならなぜそのような状態になっているのかの理由付けをする必要がある。
それを手助けとなるのは経済事象の原則を理解することである。
経済事象の原則
経済の指標をニュースなどで見ると思うが、それぞれどのような意味を持つか確認したいと思う。あくまでも一般的なことなので現実と乖離していることがある。
金利
「景気がいい=高金利」
景気が良く儲かるなら、お金を貸してくれる人に多く払ってもいい
「景気が悪い=低金利」
景気が悪く儲からないから、お金を貸してくれる人にはお金を払いたくない
「お金が少ない=高金利」
お金の量が少なく、お金の価値が上がり、お金を貸してくれる人に多く払ってもいい
「お金が多い=低金利」
お金の量が多く、お金の価値が下がり、お金を貸してくれる人にはお金を払いたくない
株価
「景気がいい=株高」
景気がいいと、お金の量が増え、株にお金が流れ株が上がる
「景気が悪い=株安」
景気が悪いと、お金の量が減り、株に流れたお金が引き戻される
「低金利=株高」
金利が下がると、企業の利益が増え、株価が上がる
「高金利=株安」
金利が上がると、企業の利益が減り、株価が下がる
物価
「景気がいい=物価上がる」
景気がいいと給料が増えて、消費意欲が強くなり、物価が上がっても売れるため物価だかとなる
「景気が悪い=物価が下がる」
景気が悪いと給料が減って、消費意欲が減り、物価が下がらないと売れないため物価安になる
「お金が多い=物価上がる」
経済規模に比べ、お金の量が多いと物の値段が上がる
「お金が少ない=物価下がる」
経済規模に比べ、お金の量が少ないと物の値段が下がる
「高金利=物価が上がる」
物価が上がると、お金を持つより、物を買って値上がり益を狙う。お金の量が減り、金利が上がる
「低金利=物価が下がる」
物価が下がると、物を持って値上がり益を狙うことげできない。お金の量が増え、金利が下がる
為替
「景気がいい=円高」
景気が良ければ海外からお金が集まり、円高になる
「景気が悪い=円安」
景気が悪いと海外にお金が出ていき、円安になる
「高金利=円高」
金利が高いと、日本に投資しようと海外からお金が集まり、円高になる
「低金利=円安」
金利が低いと、日本に投資せず海外に投資しようとお金が出ていき、円安になる
「物価下がる=円高」
円高だと海外の商品が安く買える。輸入品の値段が下がり、それに対抗しようと国内の物の値段が下がる
「物価上がる=円安」
円安だと海外の商品の値段が上がる。国内の商品がそれに合わせ、値段が上がる
理論と現実にはギャップがある
相反している経済事象も存在する。例えば、上にあげた経済事象で景気がいい=高金利だと景気がいい=株高があてはまり高金利=株高なはずだが、低金利=株高なのである。
結局は、その場その場の力関係によるのである。経済理論はあくまでフレームワークなのである。
どのように経済理論を役立てるか
経済理論を学んだところで投資で儲けることはできないが、経済のおおざっぱな状態を理解でき、どのように経済が歪んでいるかを把握できる。
歪んだ経済はいずれ歪みを修正しようとする。このように経済に対して予測が建てられるようになるのである。